5300系編成 【4編成】5300+5350+5450+5400 【2編成】5300+5400
5700系 【4編成】5700+5750+5850+5800 【6編成】5700+5650+5600+5750+5850+5800
金山で発車を待つ5700系の普通|豊明行き
犬山遊園を通過する5300系の回送
新安城で待機する5300+5300の普通西尾行き
5300/5700系の車内
5300/5700系の展望スペース?
実は一番前の席だけ背もたれが低い。
スピードメータ
5300/5700の運転台
解析
5700系
4両組成が1986年6月に3編成、1987年3月に2編成が製造されたのち、1989年6月にモ5650形とサ5600形が2両ずつ製造されて、5701編成と5702編成が6両組成となった。
これは当時、名古屋本線で高速、急行を終日6両編成以上で運行する方針が打ち出され、乗客や車掌の行き来を容易にするためであった。6両組成が2本12両、4両組成が3本12両の計24両が在籍。
制御方式は、モ5750形とモ5850形のペアには界磁チョッパ制御が採用されたが、モ5650形は、界磁添加励磁制御が採用され、ともに回生ブレーキ装備となった。界磁チョッパ制御車は6500系と同様に電流0A制御(惰行制御)を採用し、再力行時の応答性が良い。ただし6500系にあった発電ブレーキのバックアップを省略したので、回生ブレーキ失効時は空気ブレーキのみとなる。回生ブレーキの効用下限速度は35~40km/hとなっている。歯車比は、6500系の5.60(84:15)に対して7000系などに近い4.82(82:17、奇しくも国鉄117系電車と同じ)とした。全界磁定格速度はやや低いが、広域で弱め界磁制御を行い高速性能を揃えている。マスコンも直列/並列指定式としたが、主制御器(PE-39系)は6500系のものを基本としていて5500系・7000系などのMC11型と異なり、起動時マスコンを並列ノッチに投入しても直列段から進段し直並列自動切替えを行う。同時に直列段の弱め界磁制御も従来通り備えている。これは5300系、1000系列(1600系を除く)も同様である。
5300系
廃車とした5000系・5200系の走行機器などを再利用し、5700系に準じた車体を新造したもので、1986年6月にデビューしている。私鉄車両として初めて界磁添加励磁制御を採用した車両で、一部に旧車両の走行機器を生かしながら回生ブレーキを使用可能とした。すべての車両が電動車で、75kWのモーターを4台ずつ装備する。歯車比は種車そのままの4.875。全電動車のため起動加速度のみ種車の5000系や7000系などと同等の2.3km/h/sで、5700系よりも若干高い。なお、本形式を始めとして名鉄の界磁添加励磁制御車の主制御器は三菱電機製(CB-16系)で、界磁チョッパ制御車と異なり惰行制御機能(他社における電流0A制御)は備えていない。高速走行時に揺れや振動が目立ったため、当初はコイルバネの交換のみで対処していたが、1993年以降、5000系由来のFS-307系台車を履いていた全20両と、5200系由来のFS-315台車を履いていた車両のうち6両が新造の空気バネを使用したFS-550台車に変更された。同時にブレーキの増圧改造と歯車比の変更(81:18=4.50:1)を受けて120km/h走行対応とされたが、この台車交換は2002年施行分を最後に26両を以て中断状態で、最高速度は従来通りの110km/hである。FS-315台車の編成は5301F、5302F、5307F(4両組成×3本)、5312F、5313F(2両組成×2本)で早期の廃車が予想される。因みにFS-550台車は、台枠構造の関係から車体直結式空気バネではない大径心皿式(インダイレクトマウント)のS型ミンデン台車という珍しいタイプとなった。主制御器や補助電源装置は当初から新製され、電動空気圧縮機も後に交換されたため、空気バネ車においては流用品は主電動機のみで、限りなく完全新製車に近い。1986年内に34両、翌1987年11月に8両が製造され、4両組成が8本32両、2両組成が5本10両の計42両が在籍。
新造から現在まで
新造当初は、所期のとおり名古屋本線の高速、急行などに用いられた。その後1990年10月のダイヤ改正において高速が特急に吸収され一部座席指定特急が誕生すると、併結される一般席車(当時。現在の一般車)の主力として、指定席車の1000系電車や白帯を巻いた7700系電車と共に運用された。しかし同社は名古屋本線の特急に一部指定席車の1200系を1991年から新造し、5700系の特急運用を置き換え、さらに急行について、120km/h営業運転の可能な3扉ロングシート車・3500系や3700系の導入に車両政策を転換したことにより、急行運用の主力の座をも譲った。本系列は120km/h対応車が過半数を占めるが、110km/hまでしか対応していない残りの車両と共通運用されているため、実際の営業運転では現在まで120km/h走行を実施したことがない。
なお、2007年6月30日のダイヤ改正より、4両組成が早朝の一宮発中部国際空港行きの全車一般車特急の運用を受け持つようになり、15年ぶりに定期特急運用が復活した。
6両組成は現在も一部の急行列車に充当される。4両組成は名古屋本線などで走る。2両の組成は、広見線犬山駅-新可児駅の運用を始めとして、普通列車での運行が中心であるが、2008年7月現在、3500系・3700系・3300系4両の代走を2編成併結で行っている。名古屋本線、犬山線、常滑線などで頻繁に使用されているほか、2005年以降、平日朝の1往復(蒲郡発普通佐屋行き)を除いて一時運用が消滅していた西尾線にも2008年以降普通列車(一部準急にも使用)として入線する。三河線には2006年以降、通常ダイヤでは入線しない。現在まで公式な愛称はついていないが、ファンの間では以前から新SR車、NSR、ニュースーパーなどと呼ばれている。6両組成の併結運用は2005年1月改正で消滅し、6両組成は単独で運用されている。また、6両組成は2本しか存在せず、予備車もないため、検査や故障時には7000系7007Fや4両組成に2両組成をつないだ編成が代走するが、2008年7月20日には団体列車により7007Fが代走できなくなり、1384Fが代走を務めた。
鉄道ファン2008年5月号の記事によると、今後5300系については台車未更新の編成を3150系に置き換えて廃車とするとのことである。
管理人の評価
項目 | 評価 |
デザイン | ★★★★☆ |
車内 | ★★★★☆ |
乗り心地 | ★★★☆☆ |
総合ランク | A |