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3300/3150系
3300系編成 3300+3350+3450+3400
3150系編成 3150+3250





知立に到着した快速急行|豊橋行きの3300系





雨の中、新安城で特急を待つ普通|岩倉行き





新安城を出発する急行|豊橋行き







神宮前を出発して常滑線へ向かう3300系





3300+3100の編成





3301FのECOMOVE





神宮前に停車中の3150系の3151F





神宮前に到着する3150系


解析

3300系

2004年10月に登場した地上用で初のステンレス車両で、4両組成を組む。現在、5編成20両が在籍している。

車体

車体は、300系をベースとした日車式ブロック工法によるステンレス製である。地上用のため、同系列の20m級4ドアから19m級3ドアに変更されている。
断面は、同系列ではストレートなものであったが、本系列では車体裾が3700系や3100系と同様に台枠部で鋭角に絞ったものになっている。
300系では屋根上にあった車外スピーカーは、本系列では取り付け位置が車体側面に変更され、先頭車で5個、中間車で6個設置されている。
前頭部は事故で損傷した際に修理がしやすいように普通鋼製とされ、この部分にはステンレス車体との一体感を出すためシルバーメタリック塗装が施されている。また、前・側面の窓下には名鉄カラーのスカーレットの帯が配され、前面が細めのものとなっている。
前面のデザインは300系をベースとした丸みを帯びた貫通型で、非常時に連結されている他編成(本系列もしくは後述する3150系同士の場合のみ)への乗務員の乗り移りを容易にするため、前面の非常扉の位置が300系と比較して中央寄りに変更されている。また、前面の灯具類は同系列では上部に前照灯、スカートの上部に尾灯を兼ねた標識灯が設置されているが、本系列では腰部に横並び(前照灯が内側となる)で配され、一体感を出すため、灯具周りには左右間を結ぶダークグレーの帯パーツが配されている。なお、前照灯はHIDランプ、標識灯はLED式である。
300系では正面の非常扉上部に設置されていた運行番号表示器は本系列では使用されないため、省略されている。
電気連結器を装備する関係で、前面のスカートは2000系などと同一の左右の2分割タイプで、グレーに塗装されている。
側窓は、扉間はクロス・ロングとも8名分の座席配置にほぼ合致する大型2連固定窓、車端部は両先頭車の運転室側は3500系などと同様の小窓で、連結面側および中間車は、コストダウンを図るため、上部内折れ開閉式の大型窓とされている。また、すべての窓には300系と同様にUVカットガラスが使用され、カーテンが省略されている。前面および側面の種別・行先表示装置は2000系などと同様にオーロラビジョンRである。床面高さは1100mmである。

室内

厳しい空間的制約により地上設備の強化が行えず、列車の増発や増結が困難な名鉄名古屋駅を通る路線において、混雑の緩和とクロスシートを好む利用客の要望を両立させる解決策として、先に小牧線で就役した300系で採用された転換クロスシートとロングシートを扉間ごとに交互に配置する構成になっている。クロスシートのピッチは標準の900mmであり、通路幅は640mmとなる。なお、地上用の3扉通勤型車両がクロスシート装備で新製されたのは1990年の6500系7次車および6800系4次車以来14年ぶりのこと(地上用の3扉通勤型での転換クロスシート装備は初)であった。
つり革は三角形のもので、これまでの名鉄通勤車と異なりパイプを通して吊されている(これまでの車両は天井に金具を付けて直接吊していた)。なお、客室天井高さは2270mmである。連結面の貫通扉の窓は縦長で大型のものである。
バリアフリー対応としてドアチャイムを装備するほか、視弱者への注意喚起のため、客用扉部分の床は黄色のカラーステップとされている。両先頭車の運転席直後には車椅子スペースが設けられ、車椅子スペースとして使用されない場合の座席定員を増やすため、この部分には跳ね上げ式の折り畳み式補助椅子が設置された(これまでの車両は単なる立席スペースであった)。この補助椅子の座面の裏側には車椅子固定用のベルトがついている。また、荷物棚も設置されている。各車両とも1両あたりで4名分の優先席が設けられている。また、床敷物はノンスリップタイプのものが採用されている。客室内のカラーリングは300系と同様にライトグレー系とされ、化粧板は微粒柄入り、座席モケットは柄入りで、色は一般席が青系、優先席が赤系である。側扉、妻面貫通扉、座席部分のポールはローズピンクである。
各車両とも2段表示が可能な3色LED式の車内案内表示装置が千鳥配置で1両あたりで3台設置され、通常は上段に種別・行き先と次の停車駅の切り替え表示が、下段は最大で8つ先までの停車駅または文字ニュースが表示される。また、妻面の鴨居部にはLED式による号車表示器が設置されている。
運転室については、運転台は2000系のものをベースとした右手操作のワンハンドルマスコン、液晶モニター付きの仕様であるが、将来のワンマン運転化にも対応できるように機器配置が変更されている(相違点としては、運転士用の放送マイクが設置されている点や、ホーム監視用モニターの設置スペースが設けられている点などが挙げられる。)。

床下機器

各電動車に搭載されている制御装置(メーカーは三菱電機または東芝製)はIGBT素子による1C2M×2群方式のVVVFインバータ制御で、故障時対応として補助電源(CVCFインバータ)と一体とされ、補助電源の故障時にはVVVFの1群を開放してCVCFに切り替えるデュアルモード方式が採用されている。後述の3150系と設計を共通化するため、これまでの4両組成を組む系列(3500系・3700系のほか、1000系や6500系など)とは異なり、M車(電動車)は1M方式となり、4両固定編成を組む車両としては6000系以来となるMTユニット方式となった。主電動機は東洋製の170KWのものを各電動車に4個装備する。モーターおよび制御器から発せられる変調音は2000系などと同じで、他社・局の車両では横浜市交通局の3000形(2次車以降)などに類似している。ブレーキは純電気ブレーキを採用し、回生率を向上させている。また、3500系などの電気指令式ブレーキの車両との併結に対応させるための読替装置が搭載されている。制御車(ク3300形)および付随車(サ3450形)には蓄電池とC-1500型コンプレッサーが搭載されている。

製造年次

2004年度(1次車:3301F)
3301F
エコムーブトレイン
2004年10月に3150系3151Fとともに落成し、試運転の後、翌11月15日に営業運転を開始した。当初は単独4連で普通列車主体の限定運用が組まれていたが、10日ほどで3500系や3700系と共通運用されるようになった。なお、制御装置は三菱製である。
この3301Fの車番は、豊橋寄りが「3301」、豊橋寄りから2両目が「3351」、岐阜寄りが「3401」と、直近に引退したばかりの車両の車番がそのまま転用されている(なお、旧3301号および3351号は解体され影も形もなくなったが、イモムシのニックネームでおなじみだった旧3401号は今も舞木検車場に留置されている。)。
この3301Fと後述の3150系1次車の就役により、5500系は2005年1月28日をもって引退し、7500系も3編成が廃車された。

2005年度(2次車:3302F~3305F)
7500系を全廃させるために4編成16両が製造され、2005年7月に落成し、試運転の後、翌8月より営業運転を開始した。これにより同系列は同月7日を最後に引退した。
運転室直後の折り畳み式補助椅子が2200系と同様の肘掛け付きのものに変更されている。また、天井周りに変化が見られる。
制御装置は3302Fと3303Fが三菱製、3304Fと3305Fが東芝製である。
また、2006年8月頃から3305Fの岐阜方先頭車であるモ3405号のインバータ装置が新型のものに交換され、変調音が変化した。また、連結面寄りのモーターも交換されている模様で、連結面側と運転台側とでは変調音が異なる(運転台側の変調音はこの頃に営業運転を開始した阪急電鉄の9000系のものと酷似する)。

3150系

2004年10月に登場した3300系の2両組成バージョンである。前述のように設計負担を軽減させるために本系列は3300系の両先頭車であるク3300形およびモ3400形と同一設計とされている。従って仕様は3300系と同一である。現在、13編成26両が在籍している。

製造年次


2004年度(1次車:3151F~3154F)
3151Fは2004年10月に3301Fとともに落成し、翌11月までに他の3編成が落成した。仕様は3301Fと同一である。試運転の後、同月27日にそれまで7000系・7500系で運用されていた列車の一部を置き換える形で就役した。2005年1月29日のダイヤ改正までは限定運用が組まれ、本系列のみ2+2の4両で主に犬山・知多系統の急行に充当されていた。
制御装置は3151Fが三菱製、3152F~3154Fが東芝製である。

2007年度(2次車:3155F~3159F)
1次車の落成後、本系列の増備は2年半の間なかった(2005年度に3300系2次車4編成が落成)が、2007年度に2次車として5編成が増備された。同年3月に落成し、試運転の後、翌4月より営業運転を開始した。これに伴い7000系の4連3本と6連1本が廃車された。
この増備車から仕様が変更され、車内の座席配置のオールロングシート化、座席周りの手すりの色のピンクからライトブルーパープルへの変更、扉横の手すりの無塗装化、オーロラビジョンRの照明が白色LEDに変更といった点である。また、3300系2次車と同様に天井周りに変化が見られる。車内がオールロングシート化された理由は、ラッシュ時に両系列が使用された際にいわゆる「積み残し」が多発したため、とされている。共通運用される3100系に比べると収容力に差があるのは事実である。
制御装置は3155F~3157Fが三菱製、3158Fと3159Fが東芝製である。

2008年度(現在進行)
老朽化が進む7000系の置き換えを進めるため、2008年度には7編成14両が製造される予定である。同年6月5日に第1陣として3160F~3163Fの4編成が落成した。
2次車同様のオールロングシート仕様であるが、先に登場した、5000系 (2代)に準じたマイナーチェンジが行われ、前・側面の種別・行先表示器がオーロラビジョンRからフルカラーLED式のものに変更された他、優先席が各車4名分→10名分に増加し、優先席エリアの吊り手とスタンションポールは黄色のものとなった。運転席直後の車椅子スペースにあった荷棚と折りたたみ椅子は廃止され、車椅子固定用のベルトのみとなっている。また、運転室側の消火器の設置箇所が車椅子スペース上部から車掌室側の座席の横に変更され、設置箇所の化粧板には欠き取りがある。
なお、2008年度製造分のうち、未落成の3編成6両の落成時期は2008年7月現在では発表されていない。

運用

2200系への増結運用に就く3150系(2008年5月8日、金山駅にて撮影)
前述の通り、両系列は3500系などの電気指令式ブレーキの車両との併結運転が可能であるため、在来の3100系・3500系・3700系の併結が日常的に見られる。運用は編成両数で分けられ、3300系は4両固定編成を組む3500系・3700系と共通運用され、快速急行から普通まで幅広く運用され、夜間の中部国際空港駅発金山行の全車一般車特急でも運用されることがあるが、その確率は5/44と非常に低い(3500系は34編成、3700系は5編成が在籍しているため)。また、西尾線での運用に就くこともある。3150系は2両編成の3100系との共通運用が組まれ、3300系と同様に快速急行以下の種別での運用が主体であるが、朝夕のラッシュ時には2200系の増結用として名古屋本線の快速特急・特急の運用に就くこともある他、築港線での運用に就くこともある。 両形式とも、現在のところ、蒲郡線および三河線での定期運用はない。また、2008年6月28日までは広見線の新可児駅~御嵩駅間にも乗り入れていたが、ダイヤ改正による同区間のワンマン化にともない、定期運用が消滅した。

主要諸元



管理人の評価

項目 評価
デザイン ★★★★★
車内 ★★★★☆
乗り心地 ★★★★★
総合ランク A



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